今日は、木造3階建て建売住宅の完成検査に名古屋市昭和区まで行ってきました。

現場に着くと、同じようなデザインの住宅が南北に3棟並んでいたので、どの住宅かと悩んでいると現場監督が南側の住宅から出てきて、「インスペクターの方ですか?」と聞いてきたのですぐにこの問題は解決しました。(写真では右の建物になります)

名古屋市の昭和区あたりでは大きな土地がなかなか購入できない様で、建売住宅は3階建てが多いように感じます。3階建てともなると構造計算が必要になったり、防火関係の規制により準耐火仕様にしなければならないためコストは割高になりがちです。

結構高い価格で売り出されていますが、昭和区は人気エリアということもあって3棟とも買い手が付いているとのこと。

新築物件の検査を行うと、大なり小なり20前後の不具合箇所があります。特にこうした3階建て住宅は準耐火仕様に関わる建築基準法違反が結構あります。

今日のこの住宅では、換気ダクトの耐火被覆がされていませんでした。

UBの天井裏を覗くと、浴室換気乾燥機の換気ダクトが外壁に向かって配管されていることがわかります。ダクトはアルミ製。準耐火仕様の木造3階建ての場合、外壁側から1mダクトをロックウールなどで耐火被覆しなければならないのに被覆がしてありません。

隣地が火事になった場合、耐火被覆がしていないとダクト内に炎が入りアルミを溶かし、壁や躯体に火が早くまわり火事が発生しやすくなります。そして逃げる時間が短かくなってしまうので人命にも影響しかねません。

この不具合箇所は、なんと確認申請の完了検査では指摘されていなかったというから驚きです。行政の検査か、民間の確認検査機関の検査かわかりませんが、いい加減な検査をしているのです。

「木造3階建て」、「準耐火仕様」、「準防火地域」などというワードが物件チラシなどに入っていた場合は法規的なチェックが正しくされているか今一度確認する必要があります。

現地確認するときには、高さ80㎝くらいの脚立を持参してUBの天井裏をチェックしたいものです。

2018年2月16日