今日は、愛知県東郷町で雨漏り調査。

依頼者は、以前雨漏り調査をご依頼いただいたことがある名古屋の住宅メーカーの社長さん。今回は、自社が建てた住宅で雨漏りが発生してしまったため、原因を究明するため調査依頼がきました。

調査した住宅は築8年の住宅。雨漏りしていると思われる箇所ひとつづつ散水試験していきます。

窓上部の飾り枠(上写真の白い部分)と外壁との取り合い部分のコーキングが経年劣化でコーキングは破断している。おそらく原因の可能性が高いのでそこに散水します。(上写真)

15分程度散水すると、、、

室内の壁に温度変化が・・・

赤外線サーモグラフィで水が浸入してきたことを確認。(画像の青い部)

更に散水をし続けること30分。

雨漏りしていた箇所から水がしたたり始めました。

一旦散水を止め、散水箇所が雨漏りの原因箇所かどうか特定するために特殊な検査液を水に混ぜながら再度散水します。この水が室内に到達した時にブラックライトを当てると”赤く”見えるはずです。

すると、、、

ブラックライトを当てると”赤く”見えました。

何箇所か散水試験をした結果、原因箇所は窓の上部のコーキングが切れている部分とわかりました。

しかし、ただコーキング切れただけでは本来室内に雨水が浸入しません。

躯体に透湿防水シートを貼付けた後外壁材をはります。透湿防水シートは、躯体の外側で水が壁内や室内に入れさせない役割と室内からの湿気を外部に逃がす役割があります。

現在の多くの住宅の外壁の構造は、外部から水が壁内に浸入した場合には、防水シートの外側で雨水をシャットアウトし水切部分から水を排出される構造となっているのです。

しかし、調査をした住宅は窓廻りの防水措置に何らかの不備があり、防水シートの内側に水が浸入してしまったため室内まで被害が及んだものと推測します。

原因箇所はわかったものの主たる雨漏りの原因を究明するためには、やはり窓廻りの外壁を壊して防水の状態を確認しないとわかりません。

雨漏り箇所の原因を特定しないと保険から補修費用がでないから、調査中住宅メーカー社長は不安気でした。

しかし、原因箇所が特定できたことを知ると安心したのか安堵の表情を浮かべていました。しかし、逆に住宅所有者は複雑な表情をしていました。今日は、二人の顔が対照的だったことが非常に印象深い1日でした。

やはり建築中の外壁の防水検査は必須だと強く感じた一日でもありました。

2017年3月17日