今日は、1年半前に購入した車の6ヶ月点検のため夕方事務所から抜け出しディーラーに行ってきました。
車を購入すると12ヶ月点検や車検といった点検検査を定期的に受けなければならないことが法律で決まっていますよね。では何故車検はあるのでしょうか?
車はとても便利な乗り物ですが、一歩間違えれば人をひいたり、殺してしまう危険な凶器になる場合があります。例えばその原因が整備不良であったら加害者となった方は、怒りの矛先をどこに向けたらいいのかわかりません。
元々、車検は「安全性の確保」を目的としている制度ですから、基準に合致した車だけが公道を走行できます。つまり車検=安全という方程式が成り立たなければ意味がまったくありません。
そんな理由で車検は必ず受けなければならないのに、住宅の場合法的な検査が住宅を建てるとき(購入前)にはあるのに購入後にはありません。
車のように危険な凶器になるようなことはまずありえないですし、設計から工事完成までの期間である程度の安全性が確認されているという前提があるため購入後の定期的な検査は行われないのではないかと思います。
しかし、住宅は点検を定期的に行い、車と同じように定期的にメンテナンスを行わないと安全性は確保できないと思います。
例えば、築10年後に雨漏りが発生し、壁内に雨水が進入したことで柱が腐食したり、白蟻被害にあったとします。そしてこの状態を放置したまま大地震がきたときにその住宅はどうなるか?
おそらく大きな損傷を受けることは間違いありません。そして倒壊でもしようものならその住宅に住んでいる人が亡くなってしまう危険性もあるのです。またその住宅の前の道路を通行している人に住宅が倒れかかってくることもゼロではないはずです。
現在、築30年前後で解体しまた新築し直すというまったく無駄な行為を住宅業界が長年行ってきたから日本の資産は目減りする一方となってしまいました。
今、ようやく中古住宅流通の活性化のために、中古住宅売買時にインスペクションを取り入れたスキームができつつありますが、国はもっと昔から住宅に対しても定期的な点検義務を負わせた方が、健全な住宅を多く残こすことができ、住宅という日本の資産で潤っていたはずです。
つまり、日本も欧米のように中古住宅の流通が活発になっていたに違いありません。
2018年5月10日