今日は、愛知県豊川市へ築11年の中古住宅のホームインスペクションを行ってきました。
現地につくとまず、ホームインスペクション報告書の表紙に貼り付けるための外観写真を撮ります。築11年ということでパッと見古さを感じない住宅です。
依頼者は、当初「既存住宅売買瑕疵保険」の加入を検討しておみえでしたが、建物の状態を詳しく調べることを優先し、今回はホームインスペクション(住宅診断)を依頼されました。
今日みられた劣化事象があると、瑕疵保険に加入できるかできないかを併せてお伝えしたいと思います。
外壁廻りの診断を進めていくと様々な劣化事象が散見されました。
外壁の東西北面に苔の発生がみられます。苔は塗装の劣化を促進させるため定期的な清掃が必要となります。この程度の苔が発生ていても瑕疵保険の検査ではOKとなります。
上の写真は、外壁サイディングが少し欠けています。サイデイングの素地が露出していると雨水を吸込むためサイデイングの劣化が進みます。この劣化事象は「下地まで到達する欠損」に該当しないため瑕疵保険の検査ではOKです。
上の写真は、サイデイング版間目地シーリンングのチョーキング現象です。こうした劣化事象が現れているということはシーリング材の防水性がかなり低下していることを意味します。こうした事象がある場合は早期打ち替えをお勧めしています。
この劣化事象は、「シーリング材の破断、欠損がない 」という項目に該当しないため瑕疵保険の検査ではOKを出します。
しかし、次の写真の事象があると瑕疵保険の検査はNGとなってしまうためチョーキング現象との違いを覚えておくといいかもしれません。
上の写真は、シーリングが破断しているため瑕疵保険の検査はNGとなります。下の写真は、シーリング材の三面接着を防止するためのバックアップ材であるハットジョイナーと呼ばれる金物が露出してしましています。これは「シーリングの欠損」に該当するため瑕疵保険の検査はNGとなります。
サイデイングの下には防水紙が張られていますがシーリング材の劣化部分を放置しておくと防水紙の劣化も早まり、将来的に雨漏りの危険性が高まります。
診断後、依頼者には外壁廻りのメンテナンスが早期に必要であることを伝えると依頼者も「外壁はやらなきゃダメですね」と、購入後外壁のメンテナンスを決心したようでした。
築浅の住宅だから大丈夫だということはありません。建物の外壁廻りの劣化は意外と早いので中古住宅の購入を考えたときには、外壁のメンテナンスも併せて考えておくべきでしょう。
2018年4月19日