今日は、午前に三重県四日市市でフラット35適合証明検査、午後から岐阜県岐阜市で同じくフラット35の適合証明検査を行いました。本日の走行距離が200km近くなり帰宅したときには何もしたくない状態となってしまいました。
午後検査した中古住宅は、築16年の物件です。建てたハウスメーカーは業界最大手の積水ハウス(以下S社)。業界最大手だけにS社の既存住宅を検査することはしばしばあります。
S社の外壁の特徴は、サイディングの目地部分に、ガスケットという防水パッキンが付いていることです。これが結構耐久性があるんです。しかし今までこの防水パッキンがひどく劣化しているものを見たことがなかったのですが本日初めてこんな状態↓の防水パッキンを見ました。
パッキンの表面が剥離してしまい中の目地ジョイナー(目地幅を保持するための金物)が露出しています。この状態だと壁内に雨水が浸入し将来雨漏りの原因になる可能性があります。
ぐるっと建物の壁面を見て回ると東面だけにこうした症状が発生していることに気付きました。(写真の赤破線部分が該当する目地)
写真を見ていただくとお分りのように全部ではなく1階2階ともバラバラな位置に点在しています。こうした目地材の劣化の原因は日光による紫外線の影響が大きいと思いますが、東面のみ。一番影響を受けそうな南面の目地は健全な状態を保っていました。
東面に集中しているには何かわけがあるはずです。おそらく東面に取り付けたパッキンのロットに不良品が含まれていたため、年月を経て表面が剥離するという現象が早期に起こったのでしょう。
建築で使用される建材は品質が比較的均一であることが多いのですが、稀にこうした不良品が現場に搬入されそのまま取り付けられてしまうということがあります。
この部分は、是正していただかないとフラット35適合証明書は発行できないことを立ち会った不動産会社の方に伝えると、通常この是正工事の費用は誰が負担しているかを訊ねてきたので、「ケースバイケースです。」と伝えました。不適合となることを想定していなかったのでしょう。
これでは困りますね。
事前に、買主の方に不適合である場合は補修費が発生する場合があることを伝えておかないとトラブルのもとになりますょ。
2018年4月10日