今日は、午前に岐阜県岐阜市の長良という地域で築45年の中古住宅のインスペクションを行いました。築年数がかなり古いので劣化、不具合事象はきっと多いだろうなぁと思いながら始めました。
平成15年に内装を一部リフォームしたということもあり、パッと見劣化は少なそうな雰囲気でした。しかし各箇所を見ていくとあるわあるわ、34の劣化、不具合事象が50ヶ所以上、これは報告書作成に時間がかかることを覚悟しました。
インスペクションした住宅は、平屋(写真手前)と2階建て(写真奥)の住宅が合体したような住宅でした。
平屋部分の屋根の形状は寄棟と言われる最近はあまり採用されない屋根形状です。上の写真ではわかりづらいので下の写真を参照してください。
この屋根では棟と寄せ棟と呼ばれる屋根面と屋根面で構成される山の部分が5ヶ所(赤丸数字)あります。特に雨漏りはこの寄せ棟部分(②~⑤)で発生しやすいのですが、インスペクションした住宅はまさにこの箇所で雨漏りが発生していることがよくわかる住宅でした。
平屋部分の小屋裏に進入しようと点検口を空けると、こんな状況がすぐ目に飛び込んできました。
下地材のベニヤが剥がれ、屋根に乗せられていた土が梁及び天井材の上に崩落しています。これは今まで見たことのない状態です。そして更に奥に進入していくと
屋根裏全体でベニヤが剥がれたり、水染み跡が付いていることが一目瞭然。
昔の屋根の作りは「土居葺き」といって、瓦を葺く下地として屋根に薄板(ベニヤや杉皮)を張ったものの上に葺き土が置かれていることが多いです。現在の様にアスファルトルーフィングといった防水シートが張付けられていないため、一度水が瓦の下に入ってしまったら必ず雨漏りしてしまうような構造になっているのです。
こんな状態になっていたらもう屋根を下地からやり直す他ありません。
築年数の古い瓦葺き屋根でしかも寄棟の形状でしたら小屋裏をしっかり覗いておいた方がいいと思います。
2018年6月4日