今日は、愛知県瀬戸市で○○ハウスの構造検査に行ってきました。
上棟まもなくして屋根の防水検査に行った際、大工さんがこういいました「構造検査もくるんでしょ?完璧にしとくからしっかり見てね!」と。
さて、今日の構造検査、先日の大工さんの台詞どおり完璧だったかというと、こんな忘れや不具合がチョコチョコありました。
羽子板ボルトのナットの緩み・・・取り付けヶ所数が多いと1ヶ所や2ヶ所は忘れがあるものです。全数を必ず目視などして確かめることが必要です。大地震時に梁が外れてしまっては元も子もないです。
外部の構造用面材の釘の忘れ・・・外壁に取り付ける構造用の面材は、決められた釘、ピッチ、打込み深さなどが正しくないと設計上の耐力が期待できません。1本たりとも不具合がないか全数チェックが必要です。
釘の位置が”ヘリ”に近すぎる・・・釘を打ち込む位置は写真でもわかる様に黒い補助ライン当たりに打ち込まなければなりません。構造用面材固定において結構見逃してしまう不具合事象です。写真の場所では期待する耐力が得られない可能性があります。
振れ止めの未設置・・・こちらの不具合事象も木造住宅(在来工法)ではよくある事象です。建築基準法施行令第46条第3項において、「小屋組には振れ止めを設けなければならない。」とあります。振れ止めは、けた行筋かいと小屋束の三つの部材で三角形を構成して、小屋組のけた行き方向への変形を防止します。また、けた行方向に梁が掛かっていない母屋束の根元に設置し、母屋束の揺れを防がなければなりません。
ただし、国土交通大臣が定めた基準に従った構造計算により構造耐力上安全が確かめられた場合はこのかぎりではないと記載がありますが、本物件は確認申請から構造計算がされていない建物のため指摘しました。
こうして、構造検査では、建物の耐力に関わる金物など全数をチェックする必要があります。
貴方のように素人でもできるものプロでなければわからないもの混在しています。ここはプロにしっかりチェックしてもらった方が安心できると思いませんか?
2018年6月1日