今日の午前は、愛知県刈谷市で新築マンションの内覧会同行サービス、午後から愛知県豊川市で瑕疵保険の検査をおこないました。
午前の新築マンションの検査は、特に大きな不具合箇所はなかったものの、細かくチェックすると気になる点が何点かありました。新築マンションの検査は、マンションの一室のみを表面的なところの検査がメインになりがちです。よって売主には、「あら探し」と思われているのではないかといつも感じ、少しやりづらいです。
でも、最終的には依頼者に感謝されることがほとんどなのでやっていることは間違いないと思います。
さて、午後の瑕疵保険の検査は、保険に加入できない不適合箇所のオンパレードでした。依頼者が検査の最中ずっと私がやることを観察しておみえで少々やりづらかたです。
どんな不適合箇所があったかというと、まず外部から、「サイデイング版間コーキング材の破断」です。
外壁全体で発生している劣化事象で、これを全部補修しないと瑕疵保険には入ることができません。依頼者には概算補修費は50万円くらいかかることをお伝えしました。
つぎに屋根裏に進入すると、屋根部材への「水染み跡」が見られます。
外壁と母屋の取り合いのコーキングが切れているため、台風時の強い雨の日に浸入し、各部に水染み跡をつくってしまっています。また垂木にも雨水が垂れた跡があるため屋根の棟のあたりから雨水が浸入している可能性もあります。
そして、床下の入ると、「蟻道」が5ヶ所も見つかりました。
通常、瑕疵保険の検査では、屋根裏や床下は点検口から確認できる範囲でいいのですが、今回依頼者の希望で進入して詳細な調査を実施したためしっかりと蟻道を発見することができました。シロアリの被害も広範囲にあるのではないでしょうか。
おそらく点検口から覗いただけでは、蟻道を見つけることは困難だったと思います。
何故5ヶ所もシロアリによる「蟻道」があったのか?それは、床下が土であることが最大の原因だと思います。また定期的に防蟻処理を行わなかったことも大きく影響しています。下の写真では床下の土にも蟻道があることがわかります。シロアリにとって住みやすい環境なのでしょう。
この住宅は築20年を超えているのにもかかわらず、一度も建物のメンテナンスを実施した形跡がありません。これでは劣化していくだけで快適に住むことができない住宅にどんどんなっていき、また売りたい時には売れない住宅となってしまうでしょう。
依頼者は、こんな劣化事象がある住宅を買おうとしていたと思うと恐ろしいとおしゃってみえました。多分購入しないのでしょうね。
中古住宅でシロアリ被害があるかないか心配な時は、床下が土かコンクリートかを確認するだけでも違ってくると思います。
2018年2月24日