今日は、愛知県名古屋市名東区で築5年の建売の中古住宅のホームインスペクションを行いました。
築5年と築浅な物件なので外部内部ともひどい劣化事象や不具合箇所は見受けられませんでした。いつもインスペクションは、外回り→室内→床や壁の傾斜測定→設備→屋根裏→床下の順番で行います。
今日もいつもどおり最後に床下に進入しました。床下に入るところと言えば床下点検口や床下収納庫、約60㎝×60㎝の大きさの開口です。床から床下のコンクリートの仕上までの高さが50㎝程度あれば入りやすいですが、40㎝以下になると難しくなります。
床下に進入していくとこんな光景が、、、
床下断熱材が落ちてしまっています。
いつからこんな状態だったのでしょうか?
暖房を使用していたときには「この部分、床が冷たい」という感覚が住んでいた方にはきっとあったに違いありません。なぜなら床下断熱材がそっくり設置されていないのですから。
床下断熱材がないと、床下の冷たい冷気が床の表面に伝わってくるのでいくら暖房で室内を暖めても足元が寒いままなのです。
室温18℃で設定した部屋で、断熱材が入っている箇所と入っていない箇所の表面温度差は、約6℃もある実験データがあります。6℃は結構な温度差ですね。
冬場、断熱材が入っているから必ず床が冷たくないとは限りません。床材の種類などから感じ方は違ってきます。例えば、合板のフローング材より無垢のフローリング材の方が冷たさは感じにくいといった感じです。
中古住宅を買う場合、床下で断熱材が落ちていたり隙間があったりして、断熱性能が十分に発揮されていない部屋があるかもしれないと最初から疑った方がいいかもしれません。また全く設置されていないということも古い住宅ではよくあるので、床下点検口から断熱材の有無を確認することも必要です。
2018年1月26日