今日は、名古屋市中村区で地元の小さな工務店が建てる注文住宅の基礎の配筋検査を行いました。

検査の依頼主(以下Aさん)は、以前私が住宅の検査を提供したお客さまからご紹介頂いた方です。Aさんは、非常に住宅について熱心に勉強されている方で、会話の中で色々な建築の専門用語を使われるのでビックリしました。

「今日は配筋検査なので休みを取って来ました!」と現場検査に立ち会っていただきました。

Aさんは、住宅を建てるにあたり、小さな工務店に依頼したので、正しい施工基準で建てることができるだろうかという不安をお持ちでした。

残念なことに、Aさんの不安は的中します。

検査では、配筋時に注意すべき「鉄筋のあき(下の写真)」、「かぶり」、「結束」、「定着」など基本的な部分の不具合事象が散見されました。

この現場の現場監督は、工務店の社長さん。社長さんに是正依頼をするときに、何故ダメなのかまで説明しましたが、今一ピンときていない様子。「そんなことは初めて聞きます。」と、なんとも今後に不安を残す発言。

この社長さん、なんと一級建築士の資格をもっているのにかかわらず、基本的なことを知らないようです。もともと職人だったそうです。となりで話を聞いていたAさんの「やっぱりかぁ( ゚Д゚)」といった表情が印象的でした。

何十年も住宅建築をやっているにもかかわらず、昔ながらの方法であったり、基本的な技術基準を知らずして施工しているので建築基準法に適合しない箇所がたくさんありました。

小さな工務店は、少数精鋭で会社を経営しているため、他者と施工にかかわる意見交換や、正しい情報を収集する機会が少ない傾向にあります。そのため施工基準に”うとい”です。小さな工務店などに依頼するときには、どんな基準でいつも施工しているかを事前に聞いてください。しっかりした回答が得られず不安が生じた場合は、Aさんの様に第三者による検査の検討をしてみるといいでしょう。

Aさんは私に検査を依頼して本当によかったと。

そして私は、「細かくみてもらってありがたい」とのお言葉をいただき、気持ちよく帰路に付きました。

小さな工務店で住宅を建てる場合は、Aさんのように自己防衛も必要ですね。

2017年4月17日