今日は、愛知県知多郡武豊町で中古住宅のホームインスペクションを行ってきました。
築14年の築浅でも築古でもない物件です。自宅が今年で15年目に入るので「ちょうどうちと同じくらいかぁ」なんて思いながらインスペクションをしました。
この住宅で気になったのは外壁の劣化です。
外壁材は、今住宅建築で主流のサイディング。サイデイングといっても「窯業系サイデイング」と「金属系サイディング」の2種類あることを知っていましたか?
今日の住宅は「窯業系サイデイング」です。この窯業系サイデイングは定期的にメンテナンスしないとひどい状態になってしまうので注意が必要です。
よくある劣化事象は版間シール材のチョーキング現象です。下の写真のようにシールをさわって白い粉が付くようだとほぼ防水機能を果たしていません。
そしてまたよくある劣化は、硬化・剥離・破断といった事象です。下の写真(サッシ下部)は硬化し徐々にシール材が剥がれてしまいバックアップ材(白いスポンジのようなもの)が見えてしまった現象です。この状態では雨水が壁内に浸入していることはほぼ間違いないでしょう。なんとか防水紙が雨漏りを防いでいる状態でしょうか。
次は、穴あき。シール材がなく、どうぞ雨さんお入り下さい状態です。室内において雨染み跡はみられなかったのでまだ大丈夫のようですが、今後雨漏りの危険性は大です。
窯業系サイデイングは、サイデイングとサイデイングの間に施工する一般的なシーリング材が7年から8年程度で劣化し、雨漏りの危険性を増大させます。今日の住宅は過去にメンテナンスをやっていないようです。残念ながら住宅は泣いていました。
住宅を泣かせるまで放置してはいけません。早急に手当てをしないと住宅の寿命は短くなるばかり。大きな買い物で、さらに大きな負担が肩にのしかかってきます。
特に昔ながらの工法のサイデイング貼りは選ばないほうが賢明かもしれません。今はシーリングレス工法といったシールをしない工法や高耐久のシーリング材が大手メーカーから出ているのでしっかりサイディングについて勉強する必要がありそうです。
家を建てるなら、必ずメンテナンス計画を立て実行すること。またはメンテナンスのかからない材料を選択すること。これができないなら、十年前後で住宅はとんでもない状態になってしまいます。
2018年1月11日