今日は、名古屋市中村区で注文住宅の上棟後の構造検査をしてきました。建坪が64坪と一般的な建売住宅の2倍の床面積で、しかも不具合が多かったため通常2時間程度で終わる検査も4時間弱かかってしまい非常に疲れました。
今回検査の業務を始めてから初の不具合事象に出会いました。こんな仕事をしている工務店がいることに驚きです。
上の写真を見てください。構造上重要な役割を担う「筋交い」が削られているではありませんか。筋交い金物とホールダウンアンカーボルトが筋交いに干渉してしまうため筋交いが削られている事象です。
冒頭にも書きましたが、検査をしてきてこんな施工を見るのははじめです。この住宅を手掛ける会社は、地域密着がウリで社長さんが元大工さん。そして職人を自社でかかえて住宅を建てている中小の工務店です。
検査には社長さんが立ち会いましたので、これはダメな施工であることを伝えると逆ギレされました。
「しょうがないじゃないですか!お客さんがここに筋交いを入れて欲しいというからこうしかならないんです!じゃあどううすればいいんですか!?」と。
私はこう言いました。「あなたが住宅を建てるプロであればこうした不具合がでることは事前にわかることですよね?そうしたらお客さんにしっかり説明して別の所に設置した方がいいという提案をしなければいけないのではないでしょうか?」と。
社長さんは黙ってしましいました。
知っていてこんな仕事をするのは確信犯です。もう住宅建築なんてやめた方が世の中のためになると思いました。
中小の工務店は井の中の蛙。同じ人間としか仕事をしないため施工レベルが何十年も止まっている様です。名の知れたハウスメーカーは現在の施工基準を理解し、しっかり施工しているんですが。。。
例えば上の写真では、母屋と母屋束の接合部が両面かすがい打ち又は金物固定されていません。施工基準がないため昔ながらの施工法になってしまっているのです。これは、2、30年前の中古住宅でよく見る事象です。
中小の地域密着の工務店に家を建てる依頼をするならば何を基準に施工しているかを契約前にしっかり聞くことが必要です。確かな返答が帰ってこない場合は、危険だと思ってください。あなたの家づくりをまかせるパートナーでないという事です。
2017年6月6日