今日は、午前中蒲郡市で新築建売住宅の上棟後構造検査を実施。終了後、午後から犬山市で築27年の中古住宅のホームインスペクションを行いました。

築27年と築年数もそこそこだったため多くの劣化事象がありました。約70箇所の劣化事象の一部を紹介します。

0.5mm巾を超える基礎のクラック(ひび割れ)・・・放置しておくと内部の鉄筋が腐食(錆)してコンクリートが破壊される現象(爆裂現象とかポップアウト現象という)がおこり、建物の弱点となりうる箇所。

軒樋が逆勾配・・・屋根に振った雨を軒樋でうけて写真左側の竪樋に流す訳ですが、右側に勾配がついてしまっているので右側の軒先からダダ漏れ状態になる。おそらく降雪時の雪の重みで軒樋の受け金物が曲がってしまった可能性が原因。

雨漏りによる水染み跡・・・外壁から雨水の浸入があり、天井に水染み跡がついています。放置しておくと下地の木材が腐食し天井が落ちてしまうなんてことも考えられます。外壁に横殴りの雨が降ったときに水は浸入してきている様でしたが早急に直すべき劣化事象として報告しました。

屋根裏に鳥の巣が・・・築年数の古い住宅は屋根を受けている母屋と呼ばれる部材が外壁に出っ張っていることがあります。その母屋と外壁の取り合い部分に隙間や穴があいていることがあり、屋根裏に鳥が進入し巣を作ってしいる住宅をしばしば見ます。屋根裏に他の住人がいると気になりますね。

束石の沈下・・・床下の地盤が沈下してしまったため、床を支える束のしたに設置する束石も同じように沈下してしまっています。この箇所の床は、床鳴りが発生。また若干フワフワしています。床の調整が必要です。

基礎コンクリートの爆裂現象・・・床下はけっこう湿度が高い状態でした。おそらく湿気が基礎内に入り込み鉄筋を錆びさせ、錆びにより鉄筋が膨張したためコンクリートが破壊されてしまっています。

以上の様に、築年数の古い建物には多くの劣化事象が発生していることが多いです。車と同じように定期的にメンテナンスされていれば建物の各部は健全な状態が維持され長く住むことができるはずです。

しかしこの住宅はノーメンテナンス。次に買う人には大きな補修費用がのしかかります。気に入った住宅にもかかわらず、こうした状態がわかったとき、買うべきか買わざるべきか、悩んでしまうかもしれませんね。

今日は一日の移動距離がおよそ200km。移動に多くの時間を割いた日となり少々疲れました(^^;

2017年5月15日