あるサービスのお問い合わせが徐々に増えてきています。そのサービスはというと、既存住宅売買瑕疵保険を扱う検査サービスです。今日も東京小平市の方と長野県松本市の方からお電話いただきサービスや保険のしくみについてご説明しました。

『既存住宅売買瑕疵保険(以下、かし保険)』とは、中古住宅を購入する人に対し、弊所のような検査事業者が建物検査を実施し、基準に適合していれば保険に加入できる保証付きの検査サービスです。

かし保険の制度は、5年以上前からあるのですが、消費者に認知されておらず、中古住宅購入時に利用される割合はなんと5%にも満たないです。

国は、来年の宅建業法改正によりかし保険の利用率を20%まで引き上げたいと思っています。そのため、まずかし保険の認知度を上げるため、「住宅ストック循環支援事業」という補助金制度を実施し、認知度を上げようと頑張っているのです。

そんな努力の甲斐もあって、弊所のような建築士事務所にもお問い合わせが増えてきたのでしょう。

「住宅ストック循環支援事業」では、かし保険加入に有用なインスペクション(住宅診断)をした方(40歳未満)に5万円の補助金が交付されます。平成29年6月30日までの契約でしたらこの制度がつかえるので、ぜひ利用していただきたいものです。

本日、お問い合わせいただいた2名の方はお二人とも40歳以上でしたので残念ながら、補助金制度が利用できないので国に対して恨み節を語っていました。

かし保険のメリットは、売買された中古住宅に欠陥が見つかった場合でも、補修費用等の保険金が検査事業者に支払われ、検査事業者の責任において補修が行われることです。通常保証のない中古住宅では最大のメリットとなります。

また、築20年超の戸建て住宅や築25年超のマンションですと、通常優遇されない『住宅ローン減税』や『不動産取得税減税』などの優遇措置を受けることができます。しかし、この制度を知らないまま中古住宅を購入し後悔した人はたくさんいると思います。

ネット上にはそうした失敗談が少しづつアップされるようになったのか、かし保険のお問い合わせをしてくる人は、ある程度の情報を得ていることが感じ取れます。

賢く中古住宅を買おうと思ったときには、中古住宅購入時の注意点をあらかじめ調査するところからはじめなければなりません。お得な情報はすべて不動産屋さんが教えてくれると思ったら大間違いです。

情報は自ら取りにいかないといけません。

2017年4月25日