今日は、午前春日井市で内覧会同行サービスを終えた後、夕方から岐阜市にて基礎配筋検査を実施してきました。
基礎配筋検査では、多くの不具合箇所があり、現場担当者や職人さんに色々とお話しさせてもらい、今後の仕事にいかして欲しいということをお願いしました。
まず、現場監督が鉄筋の組立て(以下配筋と記載)で何を注意すべきかわかっていない様です。検査を通じてどんなハウスメーカーの監督においても正しく理解していないという印象があります。
多くの現場監督は以下の点くらいしかチェックしていていないのではないでしょうか。
1.鉄筋の種類(径)
2.組立て寸法
3.鉄筋のピッチ
上記は、最低限のチェック項目となります。しかしこれら以外にチェックしなければならない重要かつ基本的なポイントがいくつもあるのです。今日の検査での不具合箇所の写真も一部紹介しながらチェック項目を紹介します。
1.鉄筋のあき・・・コンクリートのまわりをよくすることと、付着強度を確保するために決められている。
2.かぶり・・・鉄筋からコンクリート表面までの最短距離のことをいう。かぶりは鉄筋を酸化から守る役割を果たしている。よって、これが不足していると鉄筋の酸化を促進させ、鉄筋コンクリートの強度を著しく低下させる。
3.重ね継手・・・鉄筋は引張り方向に耐える力を大きく期待されています。従って「継手」は鉄筋に加わる引っ張り方向の力を十分に伝えることができる寸法が決められている。
4.定着・・・鉄筋コンクリート構造体の仕口(角度が変わる部分など)で、各方向の部材相互の一体化をはかるために一方の部材の鉄筋を他方の部材に埋め込む必要性がある。
5.配管スリーブの補強・・・径が100㎜を超える貫通孔が開くと躯体の強度が低下するので、スリーブ管周辺に補強筋を取付ける必要がある。その際には補強筋とのかぶり(鉄筋からスリーブまでの距離)も注意が必要。
6.スリーブ開口間隔・・・各スリーブ径の合計の1.5倍以上スリーブ中心間隔をあける必要がある。それ以下になると双方のスリーブ箇所が欠損部分となり躯体強度が低下するおそれが高い。
他にもチェック項目はありますが、これらの鉄筋コンクリート造の構造強度にかかわる重要なチェックポイントが軽視され現場施工されていることが少なからずあります。
以前、とあるハウスメーカーの監督が住宅基礎は鉄筋コンクリート造じゃないのでそこまでチェックする必要がないと言いました。私はすぐに、「じゃあ、基礎は何造で何を基準に施工するのですか?」と聞きただしたことを思い出しました。
結局、基本的なことを知らない監督が多いので、残念ながら施主自らが施工中もチェックしなければならない時代が来ていることを感じました。
2017年11月2日