今日は、愛知県弥富市で既存住宅売買かし保険加入の為の検査を行ってきました。
この住宅は築21年のトヨタホームが建てた軽量鉄骨造の住宅です。築20年を超える木造住宅や鉄骨住宅は住宅ローン減税等の税制の優遇措置をうけることはできません。
築20年超の住宅でも、耐震基準適合証明書を取得するか、検査事業者が既存住宅売買瑕疵保険に加入し付保証明書を取得するか、どちらかの書類を手にすることができれば住宅ローン減税等の優遇措置が受けれます。
よって依頼者は、既存住宅売買瑕疵保険の付保を選択した訳です。
では、なぜ耐震基準適合証明書の取得をしようとしなかったのか?それは軽量鉄骨造だからです。鉄骨造や軽量鉄骨造の場合、現行の耐震基準に適合しているかどうかを確認するためのは構造計算が必要となってしまいます。
構造計算をするには、鉄骨のメンバー(鋼材の厚さや大きさ)がわからないと計算することができません。しかし中古住宅の場合、新築当時の図面が残っているケースは少なく、また現地調査においても鉄骨のメンバーをすべて把握することは困難です。
よって、この住宅においても耐震基準適合証明書を取得することが難しいという判断から既存住宅売買瑕疵保険の付保へと切り替えたのです。
依頼者はさすがにこんなことを知っているはずもありません。今回は、仲介する不動産会社の担当者がどうしたら住宅ローン減税を受けてもらえるか動いたため既存住宅売買瑕疵保険の検査をするところまでたどり着いたのです。
今回仲介している不動産会社さんは、以前私が既存住宅売買瑕疵保険の検査を提供したお客様を仲介したことがある不動産会社さんだったため、「既存住宅売買瑕疵保険の付保でも住宅ローン減税OK」とすぐに思い出し私に連絡をくれたのでした。
この既存住宅売買瑕疵保険のことを知らない不動産会社は今でも多いので、近年、住宅ローン減税を受けることができなかった中古住宅購入者は少なくないはずです。不動産営業マンは、ただ契約が早くできればいいそのことだけを考えている傾向があるので、もっと依頼者が喜んでもらうために様々な情報を仕入れておく必要があります。
一方、耐震基準適合証明書は建築士が発行しますが、鉄骨造でも現地調査のみで証明書を発行するモラルの無い建築士がいると聞きます。その建物が本当に耐震基準を満たしているかどうかは疑問ですので、建築士が証明書を発行したからといって耐震上問題のない建物であると判断しない方がいいでしょう。
2017年12月8日