大手住宅コンサルティング会社が、東北地方でインスペクション事業を展開したい建築士事務所向けに説明会を行うというニュースをインターネットで見ました。
このコンサルティング会社は、東は北海道から西は福岡まで何社かとの建築士事務所と提携してインスペクション業務を行っています。つまり、今日のニュースではフランチャイズ化を推進していることがわかります。
インスペクションを行う事業者が増えることは、安心安全な住宅購入ができる人たちが増えることにつながり大変いいことだと思います。
業界大手の会社には膨大なノウハウが蓄積されていると思われます。これらのノウハウは提携先に瞬時に情報が提供されます。つまり、今すぐにでも事業が開始できてしまうため、建築士事務所にとっても一石二鳥ということなのでしょう。
しかし、フランチャイズに加盟する建築士事務所がインスペクション事業に参入したいと考えた理由は何なのでしょう。おそらく事業を拡大するためだとか、売り上げを伸ばすためだとか、ブームが来ていて波に乗るチャンスだからとか、といったよくある理由からだと思います。
こうした考えは、住宅購入者の家を買うときの「想い」のことを一切無視していますよね。勿論、そんな建築士事務所ばかりではないでしょうが、想像できてしまいます。
もし、本当に住宅購入者のことを思ってインスペクション事業をしたいと考えているのならば、フランチャイズに加盟することはなく、自ら看板を出して事業を行うのではないでしょうか。
フランチャイズに入ってしまうと、インスペクションフィーのほとんどが本部に吸い上げられてしまいます。それで高いモチベーションを保ちインスペクションができるかどうかは疑問です。
結局、インスペクションのレベルが下がり、住宅購入者のためにならない気がしてなりません。
2017年10月6日