今日は、午前は愛知県長久手市で建売住宅の内覧会同行サービス、午後から三重県四日市で中古住宅耐震改修工事の打ち合わせと少々ハードなスケジュールでした。

午前検査した住宅は、最近ロデオの看板で有名な某パワービルダーの建売住宅です。このパワービルダーの住宅を検査することは多いのですが、あるところの検査をすると施工基準がバラバラであることに気付きます。

”あるところ”とはどこかと言う話ですが、それは「小屋裏」です。

小屋裏では、主に、小屋組みの構造体や断熱材についての検査がメインになってきます。小屋組みにおいて「小屋筋交い」、「振れ止め」といった補強部材の取付基準がバラバラなのです。

上の写真では、桁行方向には小屋筋交い(雲筋交い、桁行筋交いともいう)がついているが、張間方向(破線部)には小屋筋交い(最低@4mでつけておきたい)が一切ついていない。

上の写真は、破線部に「振れ止め」と呼ばれる母屋束の横揺れを防止するための補強材が設置されていません。

「小屋筋交い」や「振れ止め」に関して、施工されていたり施工されていなかったりという現場をこのビルダーの住宅ではチョクチョク見かけます。

この件を指摘すると、すぐに設置してくれる場合もあれば、頑なに拒む場合もあります。これは、担当者レベルや部署レベルで対応しているためこうしたバラつきがあるように思います。

おそらく他のインスペクターにも指摘していると思われるので、会社として統一した施工基準を設け、設置を徹底させることが必要なのではないでしょうか。必要ないのであれば必要ないと根拠を示すことも重要です。

以前、このビルダーの品質管理の部署から自社物件の検査の見積依頼がありました。自社のどこがインスペクターの検査基準から外れてくるのか確認したかったようですが結局、検査することはなかったです。

費用をかけなくなかったのかどうなのかは不明ですが、この物件を見る限り第三者検査を受けて施工基準の統一が計られたとは思えません。

この「小屋筋交い」や「振れ止め」の基準は建築基準法に明確に記載されていないため施工の有無が曖昧になりがちなのです。しかし、下の画像の「木造軸組の許容応力度設計法」には、明確な設置基準が記載されているため私はこの基準に従って検査しています。

2018年3月5日