今日は、愛知県春日井市で築29年の中古住宅のインスペクションを行いました。

築29年で築古の物件ですが、内部はリフォームされていて綺麗な状態です。こうした綺麗な状態を見てしまうとすぐに買ってもいいかなぁという想いが生じるかもしれませんが、そこは一旦落ち着く必要があると思います。

2階の和室の天井をみると何ヶ所も染み跡が付いています。こうした染み跡を見つけた場合は、8割ぐらいは雨漏りが原因と考えたほうがいいでしょう。残りの1割は小動物(ねずみ、ハクビシン、鳥)の糞尿の跡、あとの残りの1割は結露で生じた跡の可能性が高いです。

表面上の染み跡から原因を特定することはできませんが、屋根裏に入り調査を行うと原因を特定できる場合があります。

この住宅の屋根裏に進入すると、断熱材の上に水が垂れた跡がありました。

どこから水が入ったかを染み跡の上の部分を見上げると、

外壁と軒裏の取り合い部分に隙間があり、光が漏れています。おそらく台風時に、この隙間から雨が吹き込んで屋根裏に雨水が浸入し、天井裏に水染み跡を作った可能性が大です。

隙間が空いている箇所がどこかを外から見ると、赤枠で囲った部分になります。この住宅の屋根は入母屋になっている箇所が3ヶ所ありすべて外壁と軒裏の取り合いに隙間が発生していました。

こうして屋根裏まで進入して調査を行うと雨漏りの原因箇所がわかる場合があります。しかしあくまでも報告をするときには、「原因となっている可能性が高い」という表現をします。散水試験など詳細な調査を行わずして断定することはインスペクションをする者にはリスクが伴いますからね。

2018年3月27日