今日は朝から名古屋の名駅ちかくで、「既存住宅状況調査技術者講習」を一日かけて受講してきました。

受講者はおよそ180人くらい。この中で実際に住宅診断(以下、インスペクション)を業務としている人はきっと少ないだろうという思いを持ちながら長時間の講習に耐えてきました(^^;

この「既存住宅状況調査技術者講習」を受け、講習後の考査に合格し「既存住宅状況調査技術者」になると、来年4月1日に施行される改正宅建業法上のインスペクションが実施できるようになります。

今までは、「既存住宅現況調査技術者」という名称で、建築士または建築施工管理技士の国家資格を取得している者が対象となり、主催者は講習を開催していましたが、今回の改正宅建業法から、国は中古住宅売買時に建物調査できる者を「建築士」と限定させたため、受講できるのは建築士だけでした。

「建築士」のみに限定させたことに賛否両論はありましたが、これからは中古住宅を調査する建築士は「インスペクター」として名が知られるようになるかもしれません。

しかし、最初にも書きましたが実際、中古住宅のインスペクションができる人は多くはありません。それは多くの建築士が活躍できるほど住宅診断は、エンドユーザーに認知されていないからです。またインスペクションに理解のない不動産事業者がまだまだたくさんお見えですので市場は開かれていない状態なのです。

よってインスペクター(プレーヤー)が少ないのは当たり前。

講習に参加している「建築士」は、おそらくこの宅建業法改正をビジネスチャンスと捉え、業法が改正されたときにすぐに対応できる体制を整えるために参加しています。しかし急に中古住宅売買時にインスペクションができるかといったらそれは?です。

インスペクションは、経験がものをいう業務であることをまず彼らは知ることになるでしょう。

いづれにせよ、改正宅建業法が施行されインスペクションが広がり幸せな中古住宅購入ができる世の中になることを期待したいです。

2017年5月11日