今、建築中の検査を計5回入っている建売住宅があります。今日は、第2回目の建て方検査(構造検査)に行ったときの話しです。

まず建物は、パナソニックが提供している「テクノストラクチャー」と言われる混構造の建物です。

テクノストラクチャーという工法では、写真の様に鉄の梁のフランジと呼ばれる箇所に木材(集成材)が接合されている所が特徴的でした。

現場では、若い大工さんが一人で仕事を進めていました。私が検査していると、休憩時間に入った大工さんがこう言ってきました。

大工さん「検査って、結局『あら探し』でしょ?」

「あら探し」という単語に反応した私は、反論しました。

「大工さん、正しく施工基準どおり作られているかどうかチェックして、監督さんに正しい施工法で是正依頼までさせてもらっているので『あら探し』とは違うと思いますょ。」

あら探し、辞書で調べると「他人の欠点や過失をことさら探し出すこと。また、そうして悪口を言うこと。」とあります。確かに職人のミスなどが無いかをチェックしているのであら探しと言えばそうかもしれません。しかし、悪口は言うことはありません。

また同じ間違いをしない様、次の現場から正しい基準で施工してもらうためにアドバイスまで私は行うことを心掛けています。ただの「検査」で終わってしまっては、私がやっていることは無意味になってしまいます。

今日の大工さんは今まで、他の検査員からは、間違ったところを指摘されただけで正しい基準を教えてもらっていないので、検査を「あら探し」と認識し毛嫌いするようになったのかなぁと思ったのでした。

2017年5月2日