今日は、愛知県安城市まで築2年で壁にひび割れが発生した住宅のホームインスペクションをしてきました。

依頼者は、ハウスメーカーの2年点検が近いということでどこか不具合がでてきていないか自ら各箇所をチェックしたところ、壁にひび割れが発生している箇所があることに気づきました。

また、ユニットバスの点検口をあけて天井裏をのぞくと、釘が出ている箇所を発見した(下の写真)ためこの家は大丈夫なのだろかと不安を感じ、不安を払拭するためインスペクションを依頼したのでした。

まず、壁のひび割れは、プラスターボードと呼ばれる石膏ボードの継ぎ目で発生しています。このようなひび割れは中古住宅をインスペクションするとよく見られる事象です。こうしたひび割れが発生する原因はいくつも考えられ、原因を特定することは極めて難しいです。

原因として考えられることは、

①地震の揺れの影響で発生した。
②プラスターボードの固定が不完全で発生した。
③木材が乾燥収縮などで動いたため発生した。
④建設時に木材の水分量が高くなったため、木材自体の動きが大きくなり発生した。

などが考えられます。

建具枠廻りの壁は、一般の壁より強度が弱いため揺れによる影響がでやすい傾向があります。多くは①や③などが原因であるのではないかと考えます。

①~④の複合的要因で発生する場合もあるため原因究明は難しいことを依頼者には伝えました。

釘が木材から出いている箇所については、大きな問題はないことを伝えました。なぜなら、釘は天井の下地材である「野縁」と「野縁受け」を固定するものだったこと、つまり構造上重要な釘ではないこと、また部材の固定が確認できたからです。

依頼者は、私の説明を聞き、ほっとされたようでした。

ただし、新築時の施工上の不具合が何点か見つかったため、将来住宅で不具合が発生しない様、2年点検で是正してもらったほうがいいことをお伝えして帰路につきました。

2018年2月18日